「未公開物件」という言葉が胡散臭いので、調べたくなりました
私は1年半以上、家の購入を悩んできました。
家探しをしていているとよく出会うことばに「未公開物件あります」というのがあります。これ、胡散臭いと思いませんか。
もっと胡散臭いのは「未公開物件多数あります」ってやつ。
実際、私も不動産やさんに「ネットに載っているじゃんっ!」という情報を「特別用意した物件です。」と紹介されたことがあります。
紹介された家は、私たちが知っているものでした。ネットに載っていましたから。「この物件いいね。」と夫と話していたものだったので、驚いて夫と目を合わせちゃいましたよ。
長い家探しの中で「未公開物件です」とか「今回、お客様の為にご用意しました」というセリフには辟易していました。
もちろん、皆が皆そうではありません。
私たちは、途中で不動産業者を変えて物件探しをしています。
ですから、煽り文句が好きな業者ばかりでないことは身をもって知りました。
未公開物件にの定義って?
これ、ネットで調べているとその説明しているサイトによって「未公開物件」の定義が違うということに気がつきました。
私は不動産業界の人ではありませんが、素人が調べたことと所感をここに書いこうと思います。
ちなみに、私が調べたのは賃貸ではなくて、売買の未公開物件です。
まずは、ちょっとお勉強
レインズについて
不動産業界にはレインズというネットワークシステムがあります。
これは、国土交通省に指定されたもので、宅地建物取引業の免許を受けた不動産業者だけが見れるものです。
不動産業者が売主から家や土地を預かったら、レインズに物件情報を登録して、不動産業界全体で情報を交換しているってことなのね。
インターネットがこんなに普及している昨今ですもの。これ、一般人にも公開してくれたらいいのに。だめ? 仲介業者さんの商売あがったり?
不動産会社をまわったことはありますか?
まわったことがある人なら知っていると思うけど、どこのお店にいっても同じ物件を見せられることって多いんですよね。
これは、レインズのデータを元に物件を紹介されているからです。
at homeやsuumoなど、不動産の物件情報サイトに同じ物件が重複して載っているのは、このレインズのデータを元に各不動産業者が情報をあげているってことなのかな。
レインズの役割とは
1.不動産業界で、広く情報交換することで適正かつ迅速な不動産取引の成立と流通の円滑化を促進する
2.収集した成約情報をもとに、市況の分析情報を公開することで不動産市場の透明性の向上を促進する
売り手、買い手、仲介業者の3方よしに見えるシステムじゃん。
どうやら、レインズに登録をするけど紹介しないという「囲いこみ」とかなんとかっていう問題もあるそうですが、一旦ここではスルーします。
もしあなたが家を売りたいと思ったら、媒介契約の種類は3つ
1.一般媒介契約
同時に複数の不動産会社に仲介を依頼することができる。
不動産会社を通さずに自力で買主を探すことも可能。
契約に有効期限はなく、REINS(レインズ)への登録義務もない。
2.専任媒介契約
不動産会社1社だけに仲介を依頼する媒介契約。契約を結ぶと他の不動産会社に仲介を依頼することはできない。
自力で探した買い手とも不動産会社を通すことなく契約することができる。
契約の有効期限は最大で3カ月。
不動産会社は媒介契約成立から7日以内にREINS(レインズ)への登録が義務付けられている。
3.専属専任媒介契約
不動産会社1社だけに仲介を依頼する媒介契約。
契約を結ぶと他の不動産会社に仲介を依頼することはできない。
自力で探した買い手との契約はできない。
契約の有効期限は最大で3カ月。
不動産会社は媒介契約成立から5日以内にREINS(レインズ)への登録が義務付けられている。
参考:at home 用語集(売主)
1→3にいくにしたがって、売却を希望している人の自由度が低くなるけど、その分不動産業者は力を入れて買主を探さなくては!となるのかな。
より早くレインズに登録し、他の不動産業者に共有されます。
1の一般媒介契約はレインズへの登録は義務付けられていないけれども、ほとんどの案件は登録されるのだそうです。その方が、買い手が早く見つかるから。
ここから本題。未公開物件って何?
ここからは、ネットの情報をまとめて載せたものです。いろんな情報があるし、真実はどれなのか、よくわかっていません。商売っ気の多い、全く信用できない記事もたっくさんありましたから。
【売主が個人の場合】広告を禁止しているもの
売主の都合で広告をしていないもの。例えば「売っていることを近所に知られたくないわ。」というもの等。その会社に行けば紹介してもらえるという、私のイメージに近い未公開物件。一般媒介契約なら、レインズに登録する義務はないそうですから、こんな物件、あるのかもしれないですね。
「未公開物件あります。会員登録してください。」的なやつは、こういう物件をメールで教えるよということのようです。
でもね。これも怪しい。
私たちが考えるような未公開物件は存在しない?
不動産業者さんのブログでこのようなものを見つけました。
引用します。
未公開物件というのは、自分の会社のwebサイト・チラシでは、広告が禁止(情報の公開が禁止)されている物件。
その不動産会社のwebサイトでは公開されていないけど(会員登録したら物件情報をみることができるけど)、必ずどこかでその物件情報は公開されています。
ちがう会社のwebサイトだったり、ポータルサイト(SUUMO・HOME’S・at homeなど)かはわかりませんが、必ず広告されています。
売主都合で、広告しないのは自社WEBサイト・チラシだけ? 他のポータルサイトには、必ず載ってる?
私が近所に知られずに、物件を売ると決意したらどうするだろう。
その会社に来店した人にしか紹介できないんじゃ売れるものも売れないだろうから、レインズには登録してもらうだろうな。レインズに登録して、でもat home等もポータルサイトには載せないでね、ってできるのだろうか。わからないけれども、その一社だけに内緒で扱ってね、ということはしないんじゃないだろうか……。
そういう意味では、未公開物件って本当に希少なんじゃなかろうか。
さて、次の説にいきます。
未公開物件とは、レインズに登録されるまでに5日、まはた7日までの物件!?
これまた、私のイメージする未公開物件と違うものを見つけました。
専任媒介契約は5日以内専属専任媒介契約は7日以内にレインズに登録しなくちゃならないよというルールがありましたよね。それがミソです。
レインズに登録されるまでの期間の物件を、未公開物件というのだそう。
なぜそのようなことが起こるのか、要約すると
不動産会社は、ほとんどの場合、レインズ登録義務期間のギリギリまで登録はおこない。
理由は仲介手数料の両手取り(買主と売主の双方から仲介手数料を得ること)が欲しいから。
両手取りを得るために、レインズ登録までの期間中にできるだけ多くの新聞折り込みやポスティング、不動産ポータルサイトへの掲載などを行い、一般消費者に告知をする。
一般消費者からの問い合わせには喜んで物件紹介を行うが、不動産業者からの問い合わせに関しては、「レインズ掲載まで待ってください」や「まだ未公開です」や「すでに話が入っています」のような理由を挙げて物件の紹介を事実上拒否をする。(他の不動産会社が買主を連れてくると、先ほど説明した仲介手数料の両手取りが出来なくなるから。)
それを紹介しているのはこちらのサイトです。
何これ。ポータルサイト(at homeやらsuumoやら)で見られるなら、私たちにとっては未公開じゃないような気がしますよね。
実際に行われているのだろうか、こんなこと。
【売主が業者の場合】販売戦略
ずーっと売れていない物件を(大抵は価格設定に問題がある)「何これ、ずっと売れ残っている」というイメージを払拭する為に一度広告を規制したもの。
最近ではそういった物件は少なくなっているそうです。
正直、未公開物件がたくさんあるようには思えない
これ、ネットから拾ったほんの一部をこのブログに書きました。他にもなんやらたくさんありましたが「未公開物件ってたくさんありそう!」なんてことは、ちっとも思いませんでした。
やはり、プレミアム感を出すための戦略として「未公開物件」と偽って出すというよろしくない業者もいるようです。
未公開物件はありえないという不動産業者さんもいらっしゃいました。
それでも、「未公開物件って実は増えているんです」とうたう不動産やさんはたくさんいて、自分の会社への会員登録を進めています。
何が正しいのか、もう、わかりません。
なんだかグレーだなぁなんて思っていたんですが、グレーなのは不動産業者さんだけではありませんでした。
稼ぐのが正義なのか、プロブロガー
未公開情報について調べていると、何やら「あなたの希望にマッチングした不動産情報をお届けするサイトがあるから登録してね」というブログにたくさん出会いました。
私でも知っている有名なブロガーさんも「本当に売れる物件は情報公開なんてされません。⚫︎⚫︎なら、未公開物件がたくさんあるんです。登録しないと公開しちゃいますよ?」なんて、しれっとこのサイトに登録をするようリンクを貼っていました。
こぞってみんな同じリンクを貼っているもんだから、不思議に思って調べちゃいました
よ。
その会社のアフィリエイトリンク、読者が登録するのは無料なんだけれども登録すると、アフィリエイターさんには1万円の報酬があるんですって!情報商材のように怪しまれないから稼ぎやすいのだそうですよ。
本当にたくさんの未公開物件があると思ってリンクを貼っている人は正直いないと思うんです。皆さんもっと知識があると思いますから。
しれっとそれらしく説明して、しれっと広告を貼っているんですよ。
その広告主の会社自体が悪い会社というわけでもないかもしれません。登録している不動産業者は300社もあるそうですから、信頼できる機関なのかもしれません。
広告主に、思いがけない不利益をもたらせてしまっては悪いので会社名は控えさせていただきます。
でも「不動産ポータルサイトに出ている物件はたったの2割!」なんて、書いているところがちょっと……。
登録した人が、リストをとられて必要以上の郵便物や電話に悩まされたりしていないといいな。まともな会社でありますように。
未公開物件がなんだかよくわからないのは、不動産業界の不透明さのせいだけではありませんでした。アフィリエイトの為に好き勝手書いている人が、ネットの情報をよりわかりににくくしているように思います。
どれが信頼できるものなのか、私たちはしっかりと考える必要がありますね。
こういうことをやっている人が、プロブロガーのイメージを悪くするんだろうな。