こんにちは。
今日は、高齢者との応対をスムーズにするにはどうしたらいいか、を書いてみました。
ほんの少しでも、読んだ人の参考になれば、嬉しいです。
- コールセンターでも高齢者の需要が増えている
- 年齢で決めつけてはいけない
- とにかく大きな声で話すは間違い?!高齢者に聞き取りやすい話し方
- わかりやすい質問の仕方
- 年寄りの困った話にはこう答える!
- 長話には付き合うべきか
コールセンターでも高齢者の需要が増えている
超高齢社会と言われる日本。
高齢者を抜いてビジネスは語れない時代ですよね。
コールセンターでも、高齢者との応対は増えています。
中には、応対する人のほとんどが高齢者というコールセンターもあります。
普段の生活で高齢者と接する機会がないオペレーターさん(電話の応対者)にとっては特に、高齢者との応対が難しいと感じるようです。
今日は、少しでも高齢者との対話がスムーズになる方法を書いてみます。
年齢で決めつけてはいけない
コールセンターでは、相手の情報を確認したうえでお話しすることが多くあります。
でも、年齢情報をみて「お年寄りだ」と決めつけてお話するのは避けましょう。
高齢者でも、社会で活躍している人も多い時代。
出だしからあからさまに、お年寄り向けの応対をしたのでは、相手の尊厳を傷つけてしまいます。
年齢は、どのような応対をするかのヒントではありますが、絶対ではありません。
80歳を超えても理路整然と早口で話す方もいらっしゃいます。
高齢者向けの応対をするかを判断する基準
- 話すスピードが遅い
- 聞き返しが多い
- 質問の後の沈黙が長い
- こちらの話が終わる前に話を進めてしまう
とにかく大きな声で話すは間違い?!高齢者に聞き取りやすい話し方
高齢者との応対は「とにかく大きな声で」と思っていませんか?
それは、間違いです。
大きな声は、効果的ではありますが部屋中に響き渡るような大声は必要ありません。
抑揚をつけず、一定の音程で話す
コールセンターは、表情の見えない応対です。
少しでも、笑顔を感じられるように「抑揚をつけて話しましょう!」と指導された方は多くいると思います。
残念ながら、抑揚をつけると高齢者には聞き取りづらいんですよ。
高齢者の聞こえ方は、高音・低音の周波数がとても狭いのだそうです。
音程がぶれることで、聞き取りにくくなってしまうんですね。
では、どのように話せばいいか。
抑揚をつけず、一定の音程で話すことが大事なんです。
機会的な話し方になるので「これでいいの?」と不安になるかもしれませんが大丈夫です。
聞き取りやすいトーンの例は、ATMの機械操作のアナウンスや、NHKのアナウンサーです。
いつもより少し大きな声くらいにとどめておく
あまり大きな声で話すと、音程がぶれてしまい逆に聞き取りにくくなってしまうことがあるようです。耳が遠い方へは、声を張りあげるのではなく、いつもより大きな声くらいがいいですね。
話すスピードは相手に合わせる
コールセンターで、話すスピードは「相手よりほんの少し遅いくらいが理想的」と指導されることが多いと思います。
高齢者でもそれは変わらないのですが、極端に遅い話し方をする相手であれば、相手より少し早いくらいが聞き取りやすいと思います。
声のトーンを落としてみる
男性はトーンを落とす必要はありません。注意したいのは、女性の高い声です。前述した通り、高齢者は高音が聞き取りにくいという特性あります。
「声を明るくする為に、電話に出るときは1トーン上げて応対しましょう!」という、よくある指導は高齢者応対には向いていないんですよ。
(そもそも私は、高齢者が相手でなくとも、トーンをあげる必要はないと思っています。無理にトーンを上げるより、声の表情は抑揚で表した方がわかりやすい。)
高齢者と応対するときは、少しトーン落とすことを意識すると伝わりやすくなります。
言葉の始まりを意識する
立ち上がりの発音をしっかり発声することで、高齢者に聞き取りやすい話し方になります。
中でも、高齢者は「サ行」「カ行」「タ行」「パ行」が聞き取りにくいと言われています。
出だしの「サ行」「カ行」「タ行」「パ行」の発音は特に意識してみると、聞き取りやすくなります。
高齢者との話し方まとめ
- 抑揚をつけず、一定の音程で話す
- いつもより少し大きな声で
- 話すスピードは相手に合わせる
- 声のトーンを落としてみる(女性)
- 言葉の始まりを意識する
わかりやすい質問の仕方
はっきり、区切って話す
電話だと、高齢者でなくとも長い質問は理解しにくいですよね。
ワンセンテンスは短く。はっきりと、区切って話しましょう。
クローズドクエスチョンを利用する
オープンクエスチョンと、クローズドクエスチョンという言葉を聞いたことはありますか?
オープンクエスチョンは
「今日は何を食べたい?」
と相手に自由に話してもらう質問方法です。話を広げたい時や、相手の気持ちを聞き出す時に効果的です。
余談ですが、もしモチベーションを落としているオペレーターさんや後輩から、話を聞くならこのオープンクエスチョンです。
「元気がないけど、どうしたの?」
と相手に自由に話してもらいましょう。
対して、クローズドクエスチョンは
「今日の晩御飯はカレーにする?ラーメンにする?」
「今日の晩御飯は外食にしますか?」
のように、「はい・いいえ」で答えられるものや「AとBのどちらか」と答えが限定される質問方法です。
高齢者にとって難しい話をしているときに、判断しやすいのはクローズドクエスチョンです。
「ボタンを押すと電源ははいりますか?」
と、一つづつ質問をしていきましょう。
伝わりにくい言葉を避ける
おばあちゃんの原宿、巣鴨のマクドナルドに行ったことはありますか?
私はありませんが、こんなことを聞きました。
マクドナルドのメニューを見ると、ポテトの横には「おいも」、チキンマックナゲットの横には「鶏のからあげ」、サイズのS・M・Lには、「小・中・大」と補足をいれているのだそうです。
なるほど、素晴らしい!そう思いました。
私たちは、コールセンターで1日に何通話も似通った話をお客様にします。
使いなれた言葉が、高齢者相手に伝わりにくい言葉だということに気がつきにくいんですよね。
今一度、自分が使っている言葉にわかりにくいものはないか、どう言い換えればいいか、考えてみましょう。
特に高齢者はカタカナの理解が難しいようです。
(例)メール便で送ります→ご自宅の郵便受けに届くよう手配します
もし、聞き返された時には「聞こえなかったのかな?」と同じ言葉で繰り返し話すより、伝え方を変えて話すといいでしょう。
※「先ほども申し上げましたが…」と話すのはNGですよ!これ、相手にとっては不快です。
私たちも、知らない言葉や聞きなれない言葉は入ってきにくいですよね。
それと同じです。
年寄りの困った話にはこう答える!
自慢話
時々なんですが「自分が若い頃にはこんなことをしたんだぞ!」と自慢が始まることがあるんです。
話が理解しにくい時、バカにされたくないという思いから威厳を誇示したくなるのだと思います。
そこは、傾聴するべきです。
高齢で理解が遅くなったとしても、相手は人生においては私たちよりずっと先輩なのですから。
「それは素晴らしいですね。」
と、敬意を払いましょう。
相手が気持ちよくなれば、スムーズに話が進みやすくなりますよ。
ネガティブな話
「ダメね、もう歳だから…。」
こんな質問に対しては、無言になっても笑ってごまかしてもダメです。
もちろん「さようでございますね。」なんて認めたらクレームものです。
お客様は否定して欲しくてこういっているのでは?と思うのです。
スムーズに答えられるように、あらかじめ答えを用意しておくといいですよね。
「そんなことありません。〇〇様の声は若々しいですよ。」
「〇〇様のように、フマートフォンを使いこなしている方はなかなかいませんよ。」
等。
長話には付き合うべきか
高齢者の中には「お話を聞いて欲しい」という動機で電話をかけてくる方がいます。
コールセンターでは生産性を重視するところが多いので、長話に付き合っていられないことも多々あります。
そこは、センターの方針にもよりますので一概にもいえませんが、私はよく聞いてあげることが必要だと思っています。
お話に付き合って初めて、要件が見えてくることもあるんですよね。
私の場合、あんまり長すぎるときは…
「〇〇様、通話時間が1時間になりますけど、お疲れはございませんか?」
なんて、相手を気遣うフリをして終話に持ち込んだりします。
最後には
「ここまでで、ご不明な点はございませんか?」
の確認は忘れずに。
長話をしても、相手が理解していないんでは話になりませんから、ね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少しでも、誰かの役に立てれば嬉しいです。
この本を参考にイラストを描きました♪